【スペースX】天才実業家イーロン・マスクの超人ぶりを徹底解剖【テスラモーターズ】
※最終更新2017/4/24
今後30年以内の「人類火星移住計画」を本気で推し進めるアメリカの起業家
イーロン・マスク氏
普通の人がこれだけを聴けば「は?火星?」となるのは当然かもしれません。しかし時代はもう2017年。
各分野の科学技術が驚くべき進歩を遂げている昨今、もはや彼が語るこの計画も単なる夢物語ではなくなりました。
数々の企業を立ち上げて成功を収め、今日では「天才実業家」としてその地位を確立したイーロンマスクですが
幼少期の家庭環境から近年のリーマンショック、3度の宇宙ロケットの打ち上げ失敗、テスラモーターズの危機や自身の離婚裁判など…その人生は困難の連続でした。
しかしそれら全ての困難を強靭な精神力、天才的な頭脳、そして超人的な体力で持って払いのけて来た「カッコ良過ぎる生き様」を是非ご覧下さい。
漢・イーロンマスク此処に在り。
イーロン・マスクのプロフ
・イーロン・マスク(Elon Musk)
・1971年6月28日生まれの起業家(46歳)
・南アフリカ共和国・プレトリア出身
PayPalの前身となるX.comの創業者であり現在はスペースX、テスラモーターズにてCEO、ソーラーシティでは会長職を務める超ワーカホリック(お仕事大好き人間)
幼少期からその天才ぶりを発揮(もはやデフォ)
これまでピーターティール、マークザッカーバーグ、レイカーツワイル、デミスハサビス…と、沢山の天才の記事を書いて来ましたが、共通項を上げるとすれば「天才というのは子供の時から天才」という点です。
今回ご紹介するイーロンマスクも例に漏れず。凡人とはそのスタートからして違います(笑)まずは幼少期から軽く振り返ってみましょう。
12歳でゲームソフト作って売ってました
南アフリカの首都プレトリアで生まれたマスクは幼い頃から親の都合による引っ越しが多く、イジメにも遭い友達も出来なかった為、1人で本ばかり読んでいました。特に好きだったのが「科学小説」や「偉人の伝記モノ」だったそう。
マスクが9歳の時に両親は離婚し、父に引き取られて過ごす事になるのですが、エンジニアだった父の影響から10歳の時に独学でプログラミングを始めます。
そして12歳の時には対戦ゲーム「Blaster」を制作したというから驚き。それだけではありません。
更に驚くべきは既にこの時、自分が作ったソフトを「販売」していたのです。12歳で開発者であり、ビジネスマンでもあった…というとんでもない神童でした。まだ小6、もしくは中1ですよ(笑)
絶対嘘だ、と僕は今でも思ってます(笑)
※マスクが作った「Blaster」は↓でプレイ出来ます
Blastar for HTML5: a web version of Elon Musk's 1984 video game
17歳の時に親元離れて単身カナダに移住
17歳になった時、マスクは「しっかりと自分の人生を構築したい」との思いからアメリカに行きたいと両親に希望します。アメリカは最先端のテクノロジーに溢れ、マスクにとって夢と希望が沢山つまった新天地に思えたからです。
しかし、父はそれに猛反対。なぜなら当時の南アフリカでは18歳の白人男性は兵役に行かなければならなかったからです。(徴兵制)
もちろんマスクにも愛国心が無かった訳ではありませんでしたが、当時の南アフリカはアパルトヘイト(黒人隔離政策)という政策がとられており、白人のマスクが兵役に行くという事は「アフリカ軍として黒人を抑圧する」という事でもありました。
マスクはその事がどうしても納得いかず、それなら一層そんな事に時間を使わずに自分の夢を叶えたいと親の説得を試みますが、結局親の援助無しで移住の決断を迫られました。
この時まだ17歳。資金等の問題もあった為、希望していたアメリカではなく母親の親戚が住んでいるという「カナダ」へと移住するという事で手打ちとなりました。
カナダからアメリカへ
カナダに移住したマスクはクイーン大学に入学後、18歳~21歳まで農家や銀行などで働きながらアメリカ移住へのチャンスを伺います。そう、マスクはアメリカ行きを諦めていた訳ではありませんでした。
そして遂に21歳の時、念願叶ってアメリカのペンシルバニア大学へ編入出来る事になりました。
そこからマスクは経済学と物理学の学士号を取り、ネットスケープ社というソフトウェア開発会社に就職を希望しますが、実績不足を理由に落とされてしまいます。(勿体ない事したな…ネットスケープ)
そして3年後、マスクは超名門である「スタンフォード大学」の大学院に進学します。
ここでマスクは「高エネルギー物理学」の研究を始めようと思い立ちますが、結論から言うと彼は「入学から僅か2日で大学院を去る」事になります。
いや、なんでやねん!!
となりますが…なんとその理由は
インターネットおもしれぇーー!!
はい。当時1995年は世界中の先進国で「空前のインターネットブーム」が巻き起こった年でした。
米Yahoo!の法人化、国内外問わずネット接続サービスの台頭、Windows95の発売もありました。日本だと初めてネットカフェ(渋谷のエレクトロニックカフェ・トウキョウ)が出来たのもこの年です。
幼い頃からプログラミングに精通し、自分で作ったゲームソフトを売るなど、ビジネスマンとしての資質も開花させていたマスク。
更にコンピューターを始めとするテクノロジーに夢を抱いて南アフリカからカナダ⇒アメリカへと渡って来た事もあり、彼はここで一気に人生の舵を切る事を決断します。
後に彼は大学時代を振り返ってこう語ります。
大学生のとき、将来人類にとって最も重要になるものは何かを考えた。
答えはインターネット、持続可能エネルギー、そして複数の惑星での生活の3つだった。
そのうち、持続可能エネルギーのカギを握るのは持続的に発電し、持続的に消費するという点で電気自動車だと確信していた。
初めての起業(Zip2社)
スタンフォードを僅か2日でドロップアウトしたマスク(当時24歳)は弟であるキンバル・マスクと共同で「Zip2 Corporation」というインターネットサービスの会社を立ち上げます。因みに資金は父親が出してくれたそう。(に、2万8000ドル…)
この会社はニューヨーク・タイムズやシカゴ・トリビューンを始めとする有名新聞社と次々に契約し、それらのサイトにコンテンツを提供しながらその事業を拡大します。
ちなみに創業から最初の3カ月はオフィスに寝泊まりを繰り返し、夜通しプログラミングのコードを書き、昼間は自分の足で1社1社歩いて営業に回り、顧客を開拓していったそう。これだけのハードワークをこなせる彼の強靭な精神力と体力には脱帽です。
そうして順調に事業を軌道に乗せた1998年、マスクは当時イケイケだったコンパック社にZip2を「3億ドル」で売却します。更に彼はこの時Zip2の株を7%保有していたので、個人でも約2200万ドルの資金を得る事になりました。この時まだ28歳です…。
そしてマスクはZip2に居座る事無く、この資金を元手に新しく「X.com」という会社を共同設立する事になります。
普通ならちょっと休んでバカンスに興じたり、若いから遊んで暮らしたりしそうなもんですが…(汗)
手にしたお金を使って即座に次なる事業を起こすマスクは後にこう語ります
金儲けの為に悪魔に魂を売る人間が多いが、大切なのはそのお金を何に使うのか?その目的をはっきりさせておくことだ
常に先を見る、いや先しか見てない男。イーロンマスク。激シブであります。
X.com創業5ヶ月で起こった災難
マスクらが新しく立ち上げた「X.com」はEメール決済サービスを取り行う会社でしたが、なんと経営方針の違いという理由で僅か5ヶ月後に共同設立者が従業員をほとんど引き連れて辞任します。残ったのはマスクと従業員数名…。
更に当時は「Confinity(コンフィニティ)」というあのピーターティール率いる会社もオンライン決済サービスを立ち上げたばかりで、この2社は激しい競争を繰り広げていました。そんな大事な時期に従業員のほとんどを失ってしまった事は大きな痛手でした。
しかし、そんな危機的状況を彼はまたしても超人的なハードワークで乗り越えます。
当時のティールとの競争に打ち勝つ為、残った数名の従業員と「1日20時間以上」のハードワークでX.comを再建しました。
起業家は粘り強く、毎週80~100時間、地獄のように働くべきです。これは成功確率を上げるために必要なことです。
↑もマスクの有名な言葉です。
天才的な頭脳と超体育会系なメンタル&フィジカル…半端ではありません。これが「超人」たる所以でしょう。
ハンパねぇ…
Confinityとの合併⇒更なる起業
オンライン決済という新しい分野で激しい競争を演じていたマスクとティールでしたが、1999年には互いの利害が一致し、あっさりと手を組みます。
この事により、X.comとConfinityが合併⇒「PayPal社」という会社となり、彼らはこの会社の共同設立者になりました。
で、このPayPal社は世界26各国にサービスを拡大し、650万人以上の顧客を獲得するに至り、更に2002年にはIPO(新規株式公開)を果たし、翌年にはネットオークションサイトを運営していた「eBay(イーベイ)」に15億ドルで売却されます。
因みにこの時のマスクの利益は1億6000万ドルと言われており、彼はこの当時32歳。(あれ…?僕と同い年だ…)
PayPalマフィアと呼ばれた男たち
これは余談になりますが、PayPalにはその後世界を大きく変えた人間が多数居ました。
マスクやティールは勿論、チャド・ハーリー(YouTube)、リード・ホフマン(LinkedIn)、マックス・レヴチン(Google VP)、ジェレミー・ストップルマン(Yelp!)などもPayPal出身者です。
今この時代を作ったと言われる彼らは一部で「PayPalマフィア」と呼ばれました。
(カッコイイ…)
PayPalマフィアのドンと言われたピーターティールについてはコチラ↓
スペースX、テスラモーターズ、ソーラーシティ
PayPal社を売却したマスクはその資金で即座にまた次なる一手を打ちます。何度も言う通り、この辺りのスピード感がやはり尋常ではありません。
2002年、マスクが次に設立したのは「スペースX」という宇宙ロケットの開発を行う会社でした。そして翌年の2003年には電気自動車会社である「テスラモーターズ社」への投資も始め、更に2006年には「ソーラーシティ」という太陽光発電の会社を設立して同社の会長に就任するに至ります。
テスラに関しては元々は彼の会社でありませんでしたが、同社の経営難を彼が改善させようと乗り出し、2008年には自らCEOの座に就く事となりました。
・宇宙ロケット
・太陽光発電
・電気自動車
この3つの事業にはマスクの「夢」が全て詰まっています。
人類火星移住計画
人類が辿る道は2つしかない。ひとつは地球に永久に残って滅亡を待つこと。あとひとつは多惑星に住める種になることだ。
マスクは地球の環境問題に対して非常に深い感心を持っている事でも知られており、21世紀に課せられた最大の問題は「エネルギー問題」であるとも語っています。
まずは一刻も早く消費エネルギーから持続可能なエネルギーにシフトすべきだとの想い、更にその先の未来の事までを見通し「人間の移住先としての宇宙空間」にも強い関心を示しています。
そこで彼は自社(スペースX)にて宇宙ロケットの開発に着手→3度連続の打ち上げ失敗で資金が底を尽きそうになりながらも、何とか2008年に4度目で「ファルコン1」の打ち上げを成功させました。
更に特筆すべきは「ロケット製造のコストを75%も削減」したという点です。NASAが何年かかっても出来なかった事を民間の企業がやってのけたのです。
そして今後は「完全に再利用できるロケット(各段が自分で打ち上げ場に戻って来る等)」を開発し、30年以内には人類が火星に旅行にいけるようにするとの事。
テスラモーターズの再生
2008年、テスラの経営不振を改善する為に自らCEOの座に就いたマスクでしたが、度重なるコスト削減でもなかなか業績を回復させる事は難しく、同社は倒産寸前まで追い込まれてしまいます。
しかしそこは超人イーロン・マスク。自分の全財産をこのテスラに投入すると決意します。更にその決意に絆された他の投資家たちからも資金を調達する事ができ、何とかこの危機を乗り切ります。
2010年には上場を果たし、見事テスラの再建を成し遂げました。
2014年~現在は50億ドルもの費用をかけ、アメリカのネバタ州にて「ギガファクトリー」というリチウムイオン電池の製造工場を建設中との事。
これはテスラの電気自動車に搭載するバッテリーの製造を目的としており、2020年までには全世界で生産されるバッテリーの合計数を上回るとの見込み。
これによってマスクは全世界の自動車を全て電気自動車にする事で、前項で触れた「環境問題(資源の枯渇)」の解決へと乗り出していくとみられています。
時価総額が遂に全米TOPに
2017年4月、テスラの時価総額が終値ベースで486億ドル(約5兆4000億円)となり、自動車メーカーのフォード・モーターを上回りました。
更に同月10日時点で510億ドル(約5兆6400億円)まで上昇し、それまで1位だったゼネラル・モーターズ(GM)をも抜き去って米自動車メーカーのTOPに躍り出ました。
テスラは年内に新型セダン「モデル3」の投入を予定しており、市場が完全にマスクを支持している状況。今後もGMとの激しい首位争いが予想されますが、テスラの勢いは簡単には冷めないでしょう。
1位、取っちゃったよ…。
ソーラーシティ
マスクの思い描く通り電気自動車が全世界に普及すれば、結局それだけの電気が必要(発電しないといけない)になるのは自明の理。
そこでマスクは持続可能なエネルギーとして「太陽光発電」に着目し、従兄弟であるリンドン・リーブと太陽光発電の会社「ソーラーシティ」を設立しました。
彼の試算では「今後20年以内に他のどの電力よりも太陽光の発電量が上回る事になる」との事。
これが実現すれば地球の環境問題は改善され、飛躍的に地球の寿命を延ばす事にもなり得るでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。その天才的な頭脳だけでなく、常軌を逸した超人的なハードワークで数々の困難を切り抜け、全てを成功へと変えて来たイーロンマスク。
最後に大学生の頃の夢を振り返ると
「インターネット」⇒X.comや後のPayPal
「持続可能エネルギー」⇒テスラモーターズ(電気自動車)とソーラーシティ(太陽光発電)
「複数の惑星での生活」⇒スペースX(低コスト&再利用可能なロケット&火星移住)
このように一つの夢も諦める事無く46歳になった今でもそれらを追い続け、更に着実に実現へと推し進めている彼のその生き様…マジで激シブ最高リスペクトです。
これからの彼の活躍からも俄然目が離せません。
関連書籍のご紹介
幼少期~ソーラーシティの創設に至る全ての軌跡が詳細に綴られています。
所謂「自伝」ではなく、あくまで第三者目線での書籍。そこが個人的には大変興味深かったです。
※自伝だったらある程度良いように書けますからね(苦笑)
本人「公認」との事なので誤情報は一切ありません。経営哲学はもとより、彼の人生観やその強靭なメンタルに触れれる良書です。
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