【予防接種】インフルエンザワクチンに意味が有るの無いのかについて考えた【ウソ?ホント?】
どうも。シャイニングマンです。
インフルエンザの予防接種って皆さん受けてますか?
僕が働く会社では社員は全員「予防接種が義務付けられて」おり
去年の11月ごろには予防接種を受けていました。(僕はバイトなので受けてません)
しかしそんな状況の中、1人の社員がインフルエンザに感染してしまい、職場はてんやわんやになっています(笑)
今回は
なぜ予防接種を受けたのにインフルエンザに掛かってしまうのか?
という素朴な疑問から
予防接種を受けた方が良い、あるいは受けない方が良いという世間の皆さんの主張も絡めつつ考えて行きたいと思います。
興味のある方は是非お付き合い下さいませませ。
ワクチンって何?
人間が持つ免疫には「一度感染したウイルスには抗体が出来る」というシステムがあります。
それを逆手に取って「人間の手で弱くした病原体を先に体内に入れて抗体を作っとこう」というのがワクチンの考え方です。
ワクチンには「感染の予防」という目的とは別に「重症化を防ぐ」という目的もあり、WHOは毎年ワクチンの接種を推奨しています。
世界保健機構/WHOの公式HP↓(要翻訳)
ワクチンで予防出来る主な病気
・インフルエンザ
・結核
・麻疹
・風疹
・百日咳
・破傷風
・ジフテリア
・肺炎球菌感染症
・ヒブ感染症
・B型肝炎
・日本脳炎
などなど
予防接種したのにインフルエンザに掛かる理由
先述の通り、基本的にはワクチンによってウイルス(抗原)を体内に入れた場合「数年はその抗体が活動してくれる」のですが
インフルエンザの場合は抗原が「突然変異」するという一面を持っている為、ワクチンによって作られた抗体が機能せずに何度もインフルエンザに掛かってしまう事になる場合があります。
特に突然変異の多い「A型インフルエンザ」にはなかなかこのワクチンが効果を発揮しない場合が多く、毎年流行する原因の一つにもなっています。
A型、B型、C型の詳しい違いについてはコチラをご覧下さい↓
【予防】インフルエンザA型とB型とC型の違いをまとめてみた【対策】 - シャイニングマンの「勇気を君に」
一応インフルエンザワクチンは毎年WHOを中心として「次のシーズンの流行ウイルスの抗原性を予想」して、ワクチンを作っていますが
これも完全な予測は不可能ですし、ウイルスの抗原が変異すればまた流行してしまう…というようなイタチごっこになっている面は事実としてあります。
じゃあワクチンは意味ないの?
上記の理由から、世の中には「ワクチンなんて意味がない!」と言う人も居ます。確かにお金を払って予防接種しても掛かるリスクがあるなら、そう言いたくなる気持ちも分からなくはありません。
しかしながら先述のWHOも毎年の摂取を推奨していますし、仮に感染したとしても「重症化が防げる」というメリットもあるので一概に無意味であるとは言い切れません。
更に入院のリスクや社会的なリスク(パンデミック)もありますし、何より「ワクチンは集団の接種率が高いほどその効果も高い」という研究結果もあります。
インフルエンザ予防接種は、無意味ではない | 健康 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
集団での接種率の大切さ
インフルエンザに関わらずですが、ワクチンは「集団(80%以上)で摂取した方がより効果が大きい」という一面があります。これは「摂取していない人の感染率をも下げる」という効果や「感染後の重症化を防ぐ」という効果も含みます。
この事から日本では1976年にワクチンの集団摂取が義務化されました。対象者は「学童~中学生」に至る広範囲です。
インフルエンザが流行するきっかけは集団生活の場である「学校」で、そこから子供たちが家にウイルスを持ち込んで大人に感染していくとの定説がある為、学校での集団接種を導入する事が最も効果が高いと考えられていた為です。
しかし、ある事が原因で1994年にインフルエンザワクチンの集団予防接種は完全に廃止され、現在の「任意摂取」に切り替りました。
なぜ日本は集団予防接種を中止したのか?
これは「前橋レポート」という報告書の存在が大きかったとされています。
当時「インフルエンザの予防接種をしても毎年流行ってるやんけ!どないなっとんねん!」という世論の声に応える形で、群馬県の前橋市医師会は1979年の11月に集団予防接種の中止に踏み切りました。
そして予防接種の有効性を検証する為に「予防接種の中止する事によってインフルエンザ流行に変化が現れるのか?」という調査も同時に始めました。
この調査は5年間かけて行われ、結果的に「インフルエンザの流行状況には何の変化も見られなかった」という結論に達しました。これが前橋レポートです。
そしてもう一点。
ワクチンに使われている「卵白」によって「卵アレルギー」の人が強烈な副反応を起こすと言った事例の報告も重なりました。
このに2点がマスメディアを中心とした世論でも「ワクチンの集団接種」に反対する声が強まり、国もそれに負ける形で1994年に「中止⇒任意接種」に切替ったという経緯です。
前橋レポートの解釈は間違っていた?
しかしながら2000年代に入ってからこの「前橋レポート」に異議を唱える人が数多く出て来ました。
レポートの数字自体にねつ造や改ざんがあった訳では無いのですが、調査結果の「解釈」が間違っていたという主張をされています。
ここで詳しく書くと激しく長くなってしまう為、詳しくは以下の参考記事をご覧下さい↓
その①
インフルエンザ予防接種について: 前橋レポートの中身(接種の有無による罹患率の差)
その②
インフルエンザ予防接種ワクチンは打たない派の方へ・・・なんで判ってもらえないんだろう?追記あり | 五本木クリニック | 院長ブログ
その③
要は
「前橋レポートは集団予防摂取を否定するデータではなく、むしろ肯定するデータである」
という主張です。このように専門家の間でも意見が分かれる前橋レポートですが、日本では未だに当時の意思決定がそのままになっており、任意接種が続いているという状況です。
反対派の意見
反対派の人は前橋レポートを論拠とする人が多いですが、前述のように「アレルギーによる重度な副反応」も懸念されている方が多くいらっしゃいます。
公平な判断の為にも反対派の意見についてもソースを貼りたいと思います。
その①
↑は少し無理矢理…というか「かなり偏ってるなぁ…」という印象。因みに記事中に
厚労省とWHO(世界保健機関)もホームページ上では、はっきりとこう述べています。 「インフルエンザワクチンで、感染の予防はできない。また有効とするデータもない。」 結論は出ているのです。しかし、テレビ・新聞はこのことを前面に押し出さずに、パンデミックの恐怖とワクチンの必要性を繰り返すばかりで、おかしな話です。
と書かれていますが
「インフルエンザワクチンで、感染の予防はできない。また有効とするデータもない。」 ←は事実ではありません。
その②
やっぱりインフルエンザワクチンは無意味?かえって重篤な副作用の恐れ | ビジネスジャーナル
↑この方も予防接種を否定されていますが、最後に
インフルエンザの最良の予防法はワクチンを打つことではなく、日頃から疲労を溜めず、バランスのよい食事・適度な運動を心がけ、免疫力を高める生活をすることなのです。
にはかなり同感。僕もそう思います。
その③
インフルエンザワクチンの集団接種の効果について:石原藤樹のブログ(元六号通り診療所所長のブログ):So-netブログ
↑これはやや中立なご意見。個人的にはこのくらいが一番納得できるというか、すとんと腑に落ちる。特に文末の
インフルエンザワクチンには一定の効果がありますが、
それは他の多くのワクチンと比較すると、
かなり見劣りのする限定的なもので、
仮にお子さんへの集団接種の再開が議論されるとすれば、
本当にコストに見合った効果があるのかを含めて、
もっと実証的な議論が不可欠のように、
僕には思えます。
は正にその通りだと思う。もう一度今の技術でしっかりと検証し直せば良いと思います。白黒ハッキリつけようぜ!
まとめ
ここまで色々と書いて来ましたが、結局の所「何を信じればいいのか」は難しい所ですし、結局は「個人の判断」という所に落ち着く他ありません。
大体の人はほとんどの分野(医療に限らず)において「本当に正しい知識」なんて持ち合わせて居ないですからね。
しかし、ただ単に一方の主張だけを見て「ワクチン賛成!」とか「ワクチン反対!」とかって結論付けるのではなく「双方の意見をしっかり見比べて判断すべき」だと思います。
現実としてA型インフルエンザは突然変異も多く、摂取したワクチンが効かないという事もありますし、100万人に1人くらいの割合で副反応が起こる事も事実です。
しかし感染のリスクを下げたり、重症化のリスクを下げたり、社会的なリスクを下げたりする事もまた事実。
もう一つ、
「予防医学」は「治療医学」と比べてまだまだ日本では浸透していない為、ワクチンなんかに関しても誤解が生まれやすい環境であるという事。
「タミフル飲んだからインフル治った♪」は治療医学で、結果も分かりやすいですが
「ワクチン打ったからインフル掛からなかった♪」という予防医学はまだまだ確実性や説得力に欠ける部分もありますので
これからもっと予防医学が推進されて発展すれば、もう少し医師や国民の意見もまとまってくるのかなと思います。
一先ず僕は自分だけが掛かる掛からないではなく、他人(特に妊婦さんなど)に感染させてしまった場合などを考えると、予防接種は受けておいた方が良いと思いました。
現在、日本ではインフルエンザの予防接種は任意なので、受ける受けないはあなた次第。
しかしそこに付随するメリットとデメリットをしっかりと照らし合わせて自分で決断し、そこに責任を持つ事が何より重要であると改めて感じました。
そんな訳で今日はここまで!
健康第一!あじゃした!
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