【A.Iと音楽】人工知能が世界からミュージシャンを消す日【自動作曲】
どうも。シャイニングマンです。
人間の娯楽の一つとして「音楽」がありますが、今日は「人工知能が作った音楽」について面白い話が入って来ました。
2017年1月16日、大阪大学COI(イノベーションセンター)が
「人間の脳波を読み取った人工知能がその人の気分を高揚させたり落ち着かせたりする曲を作曲する」という技術を発表しました。
文字にしただけでも結構怖いんですけど(笑)どうやらガチなようです。
僕は趣味で長い事バンドをやっているのもあって、この手のニュースには反応せざるを得ません(笑)
今日はこのニュースを主軸に「人工知能と音楽」についてお話したいと思います。
人工知能による作曲
これまで人工知能による音楽の作曲というのが全く無かったのかと言われればそうではありません。
有名な所では2015年にイギリス・ケンブリッジ大学出身のクリエイター集団によって「Jukedeck」というサービスが公開されています。
このサービスは「ジャンル」とそれに準じた「曲調」と「曲の長さ」を指定すれば人工知能が自動で「オリジナルBGM」を作曲してくれるというものです。
ジャンルはPOP、FOLK、ROCK、PIANO、CINEMATIC、ELECTRONIC、AMBIENTなど様々。
曲調は選んだジャンルによって変動はあるものの、UPLIFTING、CHILLED、SCI-FI、MELANCHOLIC、DARK、ANGRY、ACTION…など多種多様。
更に2曲目以降は「楽器」と「テンポ」も選べるようになり、選択できるジャンルも増えるとの事。
「Jukedeck」が作った音楽を聴いてみよう
僕は自分がバンドをやっているのもあり、この話を聞いた当初は「人工知能がナンボのもんじゃい」と思っていました。いやマジで。
因みに「Jukedeck」によって作曲された音楽は基本的に著作権フリーなので、youtubeとかにもバンバン上がってるんですね。
で、下記がこの「Jukedeck」によって作曲された音楽の一つです。ちょろっと聞いてみて下さい。
はい。その辺の人間が作った音楽との遜色…ハッキリ言って皆無です(笑)僕なんて逆立ちしても敵いそうにありません(苦笑)
因みに作曲した曲は1曲あたり199ドル(約24000円)で著作権を買取れるらしいです。
う~ん、なんて斬新なビジネスモデル…。
ソニーが作った人工知能「フローマシーンズ」
Sony CSL(ソニーコンピュータエンタサイエンス研究所)も音楽を作曲する人工知能(フローマシーンズ/FlowMachines)を開発しています。
これは自社のデータベースに入れた130000曲(主にジャズとポップス)という膨大なデータを人工知能が分析→学習し、ユーザーが選択した「スタイル」に従って自動作曲を行うというプログラムです。
これが作曲した音源もyoutubeにアップされてますので、ちょろっと聞いてみましょうか。
この曲は「Daddy’s Car」という曲で「ビートルズのスタイル」が指定されているとの事。僕はビートルズにはあまり造詣が深い方ではないのですが、そんな僕ですら感じるビートルズ感…。
勿論、ヘヴィーなファンからすれば言い分もあるかもしれませんが、人間がビートルズを真似しようと作ってもなかなかこうはいかない場合がほとんどだと思います。(32歳・バンドマン)
現段階ではまだ音源のミックスやマスタリングの作業などは人の手によって行われているようですが、これも近い将来AIによって行われる事になると言われています。
ちなみにこの「フローマシーンズ」が作曲を手掛けたアルバムが年内(2017年)に発売予定との事…。マジで「時代を感じる」お話ですね…。ひと昔前だと有り得なかったと思いますが、これからどんどん当たり前になっていくんでしょう…。
契約内容に文句も言わない、ギャラも印税も求めない、曲作りは数分で終わる、24時間フル稼働出来る人工知能…。レコード会社にとっては最高ですね…。
この事から考えると、ミュージシャンや音楽関係者にとってはなかなか辛い未来が待っていそうです…。
参考記事↓
ソニーが人工知能で作曲した音楽を公開…スタイルはビートルズ | ROBOTEER
X JAPANのYOSHIKIも言及
日本国内や世界でも古くから絶大な人気を誇るヴィジュアル系ロックバンドの「X JAPAN」でドラマーを務めるYOSHIKI氏ですが
彼は人工知能が作る音楽には一定の評価を示している事でも知られています。
YOSHIKI氏によると音楽は「計算」で五線譜に並んだ音符の構成で出来ている為、作曲という分野においては「人工知能の作曲家」と「人間の作曲家」が競い合う日はもう目の前まで来ているとの事。
しかしながら「パフォーマンス(ライブ)」という点ではまだ人間の方に軍配が上がるだろうとも考えているようです。
なるほど、確かに人工知能にライブは出来ませんし、出来たとしてもそれで熱狂している人間の姿…まだ想像出来ませんね。YOSHIKIパイセン、さすがっす。
参考記事↓
「人工知能と僕ら作曲家は競うことになる」X JAPANのYOSHIKIが語る音楽の未来
ただ作曲するだけではなくなった
このように、少なからず2015年の時点(厳密にはそれ以前)から既に「人工知能による音楽の作曲」というのは一部で盛んに行われています。
冒頭のお話に戻りますが、この度大阪大学COI(イノベーションセンター)は「ただ作曲するだけ」ではなく「その人の感情を引出すような音楽が作曲出来る」人工知能を開発しました。
ユーザーには脳波を計測するセンサーを内蔵(8個)したヘッドフォンを装着して貰い、サンプルとなる音源を数曲聞かせて脳波を分析→その結果を基に人工知能が作曲するというものです。
1月18日~20日の3日間に渡って東京ビッグサイトで行われた展示会「第3回ウェアラブルEXPO」でも展示され、大きな話題にもなりました。
分析した脳波を基に人工知能が「気分が高揚するように」作曲した曲を聴いた人は「本当に気分が高揚した」と答えるなど、一定の成果もあげています。
作曲するだけだった人工知能が遂に人間の脳波を解析してその人に合った音楽を個別に作曲出来るという所まで来た…という事です。(普通に怖い)
つまり将来的には「その時の自分に合った最適な音楽がすぐに見つけられる(作れる)」というような時代が来るかもしれませんし、そうなったらいよいよミュージシャンの存在価値が問われる時代にもなると思います。
その他にもこの技術が進歩によって音楽医療による脳の活性化や、ゲームへの転用など、色んな分野に活用出来るとの事なので、今後の研究にも注目ですね。
参考記事↓
人工知能が脳波を読み取り自動作曲 聞いたら本当に気分が高揚した : J-CASTヘルスケア
まとめ
いかがだったでしょうか。今や人工知能は人間の生活の様々な分野に進出しています。これまで話題になっていた「仕事」の分野だけにとどまらず「娯楽」の分野にまで…。
これは多くの人にとって喜ばしい事であるのは確かですが、それによって存在価値が問われる人も出て来てしまうという不可避のジレンマ。
僕のバンド活動は「趣味」ですが、これが「本業」の人はこれから来る新時代に向けた準備をしておかなければならないかもしれません。
以上、今日は人工知能と音楽についてお話しました。うん。怖い!(率直)
あじゃした!!
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